個人事業主と法人のメリット・デメリットを比較して事業形態を決めましょう。

個人事業主と法人の違い

開業するにあたって株式会社に憧れる人もいますが、理想だけで法人化してはいけません。
法人は設立費用や運営費用の高いデメリットがあります。
個人事業主と法人それぞれのメリット・デメリットを認識して事業形態を決めましょう。

 

 

個人事業主のメリット・デメリット

 

メリット

  • 開業手続きが簡単
  • 開業手続きに関する初期費用がかからない
  • 法人税がかからない
  • 税理士を利用する必要性が低い(会計ソフトで簡単に確定申告書類を作れる)

 

デメリット

  • 信用力で法人に劣る
  • 経費計上できる領域が少ない

 

確定申告のイメージ画像

個人事業主であれば開業するのは簡単です。
青色申告白色申告の2種類があり、白色申告であれば申請不要ですぐに事業を開始させても問題ありません。(一部で営業許可の必要な業種あり)
青色申告は複式簿記による税申告を求められて65万円控除の特典が付きます。

 

昨今はクラウド会計ソフトなど素人でも簡単に複式簿記を作れるツールが充実しています。
個人事業主として運営するなら青色申告をオススメします。

 

デメリットで紹介している信用力は、取引先金融機関求人の3点があります。
看板など事業規模よりもサービス品質を重視する職人系では個人事業主が多いです。
ネット集客したり法人相手に営業する事業では法人にすることが望ましいです。

 

個人事業主が多い業種

  • 飲食業
  • 美容師
  • クリニック
  • 建設、リフォーム関連の下請け職人
  • フリーランス

 

昨今では企業に属せずに下請けや外注の仕事を行うフリーランスが増えています。
個人事業主の名称にあるとおり、1名で運営できる事業で個人の能力で仕事を取れる仕事内容では個人事業主の需要が高いです。

 

法人化のメリットのひとつが節税です。
飲食業など仕入れ費用が大きくて利幅の少ない仕事は規模が大きくても、あえて法人化しないケースも目立ちます。

 

 

法人のメリット・デメリット

 

メリット

  • 信用力が高い
  • 資金調達の手段が幅広い
  • 優秀な人材を集めやすい
  • 税金対策しやすい
  • 赤字を繰り越せる期間が長い
  • 補助金、創業融資を受けやすい

 

デメリット

  • 税申告(決算書作成)手続きが面倒
  • 法人運営に必要な書類作成など面倒な手続きが多い
  • 税理士報酬が高い
  • 赤字でも税金がかかる
  • 社会保険の加入義務の基準が厳しい

 

基本的には個人事業主と逆の性質を持ちますが、出資で資金調達をするなど個人事業主にはない特徴も持っています。

 

赤字の繰越は法人の場合、欠損金の繰越控除を最大9年使えます。
個人事業主は純損失の繰越控除として3年繰り越せます。

 

開業して間もない間は赤字が出やすいので、赤字繰越を目的に創業当初から法人化するケースもあります。
税制面、信用力、資金調達の3点で法人にする必要性があるかを考えて決めましょう。

 

開業届出のまでの流れはこちら

 

 

個人事業主では認められなくて法人で認められる経費

  • 住宅費用(自宅の社宅化)
  • 出張手当
  • 慶弔金
  • 保険料
  • 退職金

 

上記は必要な資料を作るなど、経費計上するために条件が必要なものもあります。
法人と個人事業主では接待交際費の上限など経費計上できる金額にも違いがあります。

 

法人は損金として計上して資本金1億円以下の場合は年間800万円までという基準が設けられています。
個人事業主の場合は基準がないのですが事業規模の小さい中で高額な経費計上をすると税務署に目を付けられる可能性が高いです。
項目だけではなく経費の占める割合や事業規模に対して適切なのかを判断して法人にするか検討してください。